「勝手なこと言うなよ!」

もう50年以上も昔のお話です。
三人の子どもを抱えた私の母。今で言うシングルマザーです。父親の顔を見るのは年に数日。父親が母以外の女性と暮らして
いることは子供心にも薄っすらと感じていました。
当時、中学生だった私には小学生の弟が二人。母との四人の暮らしです。
生活に追われていたのでしょう、朝早くから夜まで仕事を掛け持ちする母に代わり、弟達の食事準備や簡単な家事は私の役目
だったと記憶しています。
ある日、些細なことで母と口論。
「こんな面白くない家庭は嫌だ!子供の為に離婚しないなんて、勝手なこと、言うなよ!」
こんな言葉を母にぶつけてしまいました。
働きづめの母は56歳で短い生涯を終えました。
母の苦労は充分以上に理解していた筈の私です。当時は未熟な反抗期の中学生だったのでしょう。
言葉にしたことはありませんが最愛の母でした。
今でも、私が母に投げかけた言葉を思い出すと胸が痛みます。
現在大阪で、離婚のご相談を頂く仕事をしています。
後悔しない離婚ってなんだろう?‥。 親と子の幸せな繋がり方ってどうなんだろう?
この歳になっても考え続けている毎日です。